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電気自動車は60万円で買える?トヨタ等の超小型車価格と中古相場

最近、ガソリン代が本当に高くなりましたよね。「近所のスーパーに行くだけなのに、ガソリンを入れるたびにため息が出る」なんてことはありませんか。そんな時、ニュースやネットの広告で「電気自動車が安い」という話題を目にすると、どうしても気になってしまいます。

特に「60万円くらいで買える電気自動車があるらしい」なんて噂を聞くと、家計を預かる身としては聞き捨てなりません。もし本当にその価格で車が手に入るなら、セカンドカーや、免許返納を考えている親の移動手段として最高だからです。

でも、いざ調べてみると「本当に安全なの?」「トヨタみたいな有名メーカーの車なの?」といった疑問が次々と湧いてきます。そこで今回は、私が実際に調べ回って分かった「60万円EV」の正体と、現実的な購入の選択肢について、包み隠さずお話ししたいと思います。

この記事のポイント

  • トヨタ製EVを60万円で買うのは現状かなり難しい
  • 「ミニカー区分」の超小型車なら低価格の選択肢がある
  • 中古車市場なら1人乗りEVが60万円以下で見つかる可能性も
  • 格安EVを選ぶ際はバッテリーの種類とメンテナンス先に注意

電気自動車60万円とトヨタ等の高齢者向け超小型車

まずは、私たちが一番信頼を寄せている「トヨタ」などの大手メーカーから、60万円で買える電気自動車が出ているのか、その現状から見ていきましょう。結論から言うと、期待とは少し違う現実が待っていました。

トヨタの高齢者向け電気自動車は60万円で買える?

「世界のトヨタなら、きっと安くて良い電気自動車を作ってくれているはず」。そう期待して調べてみたのですが、残念ながら現時点でトヨタの新車として「60万円」で購入できる電気自動車は存在しませんでした。

トヨタが販売している超小型電気自動車といえば「C+pod(シーポッド)」が有名です。この車は、まさに私たちが求めているような「近距離移動に特化したコンパクトなEV」なのですが、価格の壁が立ちはだかります。発売当初の価格を見ても、標準グレードで約165万円から。最も安いグレードでも160万円台後半となっており、60万円という予算の倍以上の価格設定になっています。

「そんなに高いの?」と驚かれるかもしれませんね。実は、日本の安全基準は世界的にも厳しく、たとえ小さな車であっても、衝突安全性やバッテリーの品質管理にコストがかかってしまうのです。中国などの海外ニュースで「50万円以下のEVが登場!」という話題を見かけることがありますが、あれはあくまで現地の基準で作られた車。そのままの価格と仕様で日本国内の公道を走ることは、法律的にも安全性的にも難しいのが実情です。

ここがポイント
海外製の激安EVのニュースと、日本国内で販売される安全基準を満たしたEVの価格は切り離して考える必要があります。国内大手メーカーの新車で60万円以下は、現状では「まだない」と考えるのが賢明です。

しかし、諦めるのはまだ早いです。新車価格そのものは高くても、自治体の補助金などを組み合わせることで負担を減らす方法はありますし、トヨタ以外の選択肢に目を向ければ可能性はゼロではありません。

超小型自動車1人乗りのトヨタ製モデルの特徴

価格の話は一旦置いておいて、トヨタが作っている「超小型自動車」がどんなものか、その魅力についても触れておきましょう。特に1人乗り(または2人乗り)のモデルは、私たちのような一般ドライバーだけでなく、高齢者の方にとっても非常に魅力的な乗り物です。

トヨタの超小型モビリティの代表格は、先ほど触れた「C+pod(2人乗り)」や、トヨタ車体が製造する「コムス(1人乗り)」です。これらは、軽自動車よりもさらに小さいサイズで作られています。例えばコムスの場合、車幅は一般的な軽自動車よりもずっと狭いので、自宅の駐車場が狭かったり、少し入り組んだ路地の奥に家があったりする場合でも、自転車感覚でスイスイ入っていけます。

また、これらの車両の大きな特徴は「最高速度が60km/h程度に制限されていること」です。「遅いのは困る」と思うかもしれませんが、近所のスーパーや病院に行くだけなら60km/hも出れば十分ですよね。むしろ、アクセルの踏み間違いによる暴走事故などが社会問題になっている今、スピードが出すぎない設計は、高齢の親に運転してもらう家族からすると大きな安心材料になります。

さらに、100Vの家庭用コンセントで充電できるモデルが多いため、ガソリンスタンドに行く手間が省けるのも大きなメリットです。重い給油ノズルを持ってガソリンを入れる作業は、高齢者にとって意外と重労働ですから、家でスマホのように充電できる手軽さは何物にも代えがたい利点と言えるでしょう。

高齢者向け電気自動車の価格相場と60万円の壁

では、トヨタに限らず「高齢者向け」として販売されている電気自動車全体の価格相場はどのくらいなのでしょうか。ここを把握しておかないと、悪質な業者に騙されてしまうリスクもあるので、しっかりと相場観を持っておくことが大切です。

一般的に、国内メーカーが販売する新車の超小型モビリティ(ミニカー区分含む)の価格帯は、安くても「80万円〜100万円」、大手メーカーのしっかりした作りのものだと「160万円〜180万円」程度が相場となっています。「60万円」という予算は、この相場から見るとかなり厳しいラインであることが分かります。

なぜここまで価格に差があるのでしょうか。最大の要因は「リチウムイオンバッテリー」の価格です。電気自動車の心臓部とも言えるバッテリーは、容量が大きくなればなるほど、そして品質が高くなればなるほど価格が跳ね上がります。高齢者向けとして信頼性を重視する場合、発火リスクが低く長寿命なバッテリーを採用する必要があるため、どうしても車両価格が下がりにくいのです。

シニアカーとの違い
もっと安い乗り物として、歩道を走る「シニアカー(電動車いす)」がありますが、これは免許不要で乗れる代わりに時速6kmしか出ません。今回私たちが探している「車道を走れる自動車」とは全く別の乗り物ですので、混同しないように注意しましょう。

つまり、新車で、かつ誰もが知っているメーカー製で、60万円という価格を実現するのは、現在の技術とコスト構造では「ほぼ不可能に近い」というのが現実です。もし「新車で60万円」を謳う商品があったとしたら、それは何か特別な条件があるか、あるいは非常に簡易的な作りである可能性を疑ってかかる慎重さが必要です。

超小型自動車1人乗りの価格は60万円以下?

「じゃあ、60万円で買える電気自動車なんて存在しないの?」とがっかりされた方もいるかもしれません。でも、ここで視点を少し変えてみましょう。「大手メーカーの新車」という条件を外して、「ミニカー区分」や「新興メーカー」まで視野を広げると、景色が少し変わってきます。

実は、道路運送車両法で「ミニカー」と呼ばれる区分(水色のナンバープレートが付く1人乗りの車)であれば、構造が比較的シンプルであるため、価格を抑えたモデルが存在します。これらは車検が必要なく、税金も安いというメリットがあります。

例えば、ネット通販や一部の代理店で取り扱われている輸入製や新興メーカー製の1人乗り電気自動車の中には、車体価格が60万円台〜80万円程度で販売されているものが見つかります。これらは、エアコンがついていなかったり、ドアが簡易的な幌(ほろ)だったりと、快適装備を極限まで削ぎ落とすことで低価格を実現しています。「雨風がしのげて、近所のコンビニまで行ければそれでいい」と割り切れるのであれば、これらは有力な候補になり得ます。

ただし、ここで注意したいのは「乗り出し価格」です。車両本体が59万円だったとしても、日本で公道を走るための登録費用や、送料(陸送費)を含めると、結局70万円、80万円となってしまうケースが多々あります。「60万円以下」というのは、あくまで車両本体価格のみの話であることが多いので、見積もりを取る際は必ず「総額でいくらになるのか」を確認することが重要です。

60万円の電気自動車購入時の注意点

もし運良く60万円前後で購入できる電気自動車を見つけたとしても、すぐに飛びつくのは危険です。安いには安いなりの理由があり、購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、以下のポイントは必ずチェックしてください。

まず一番に確認すべきは「メンテナンスを受けられる工場が近くにあるか」です。トヨタなどの大手メーカーであれば全国どこでも修理が可能ですが、格安EVや新興メーカーの車の場合、近所の整備工場では「部品がない」「マニュアルがない」という理由で修理を断られることがよくあります。タイヤ交換ひとつとっても、特殊なサイズだと取り寄せに時間がかかることも。購入店が遠方の場合、故障した時のレッカー代だけで数万円が飛んでいくことになります。

バッテリーの種類に注意!
格安EVの中には、リチウムイオン電池ではなく「鉛バッテリー」を使用しているものがあります。鉛バッテリーは安いですが、寿命が短く、頻繁に交換が必要になることが多いです。車両が安くても、数年ごとに数万円のバッテリー交換費用が発生すれば、トータルコストは高くなってしまいます。

また、坂道の多い地域にお住まいの方も要注意です。低価格なEVはモーターの出力が控えめなことが多く、急な坂道では登る力が足りずに時速10kmくらいまで落ちてしまう、なんてこともあり得ます。試乗ができるなら、必ず自宅周辺の坂道を走ってみることを強くおすすめします。

「安物買いの銭失い」にならないよう、60万円という価格の裏にあるスペックやアフターサービス体制をしっかりと見極める目を持つことが、格安EV選びの成功の鍵となります。

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